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> 会員情報のセキュリティを守るために,ISM研究会
> のホームページ用に新しいプロバイダと契約しました。

 この話、今井さんから“ISMホームページの容量が足りない。別のプロバイダと
契約したい”というメールが来たことに始まります。もしISMホームページ用に追
加契約するなら、セキュリティ保護機能があって安いところが良いということで、
JustNetを候補にあげたわけです。

> あぁ,せっかくJust Netとの接続時
> にしか使えない自社製ツールが接続料金の徴収に役立つと思ったのに……。オ
> ープンな技術環境で顧客をクローズドに取り込むのは大変ですね。

 他方で、そもそもジャストシステムが通信事業に参入することができたのは、
ニフティ1社が囲い込みしていたパソコン通信に代わって、全世界どこからどこ
へでもアクセスできるインターネットが主流になってきたという背景があるわけ
ですね。

> インターネットの中で,狭義の賃貸料
> (単純化すると,ビル建設費÷耐久時間)を超える差額地代はどうやって生じ
> るんですかね。

 通信業者としては他社との差別化ができず儲からないので、各社独自のコンテ
ンツに力を入れてますが、自社の限られたユーザー相手ではコンテンツも採算に
載らず、結局、非囲い込み型の公開コンテンツが増えてるようです。

 さいきんマイクロソフトへの対抗馬として話題の Linux(リナックス:無料の
パソコン基本ソフト)なんかは、オープンな環境で私的に金儲けすることを最初
からあきらめて、オープンであることのメリットをもっと積極的に生かそうとす
る試みだと言えるかと思います。Linux は無料で無制限にコピーできるだけでな
く、技術情報が完全に公開されていて、全世界の技術者たちが勝手に改良するこ
とができ、その成果をインターネットをつうじて共有することができます。

 Linux は一種の社会現象になっていて、この手法を他の分野にも適用すれば企
業中心の資本主義社会を終わらせることができると妄想する者まで現われていま
す。以下はアメリカのポップ・カルチャー界で有名なエリック・レイモンドの主
張です(技術用語がやたら多いので、興味のある方だけ見てください)。
   http://www.post1.com/home/hiyori13/freeware/noosphere.html